愛と恋の境界線

騎士アスターは、戦場で右腕を失い退役した。
祖父の花屋を継いで働くようになったある日、親友夫婦のもとに娘が生まれる。
娘の名はアイリーン。
アイリーンは成長するにつれ、アスターを慕うようになる。
アイリーンの想いはただの憧れに過ぎないのか、それともーー
年の差23の恋物語。

月影の王子と太陽の少女から二十年以上先、スイレンの息子が主人公です。

読者の感想

歳の差が、二人の愛を甘く煮詰める
 23の歳の差を持つ二人が織りなす恋と愛の物語は、普通の恋愛とは違う。  歳の差故にためらうものがあり、障害もあるもの。  だけど、アイリーンは持ち前の無邪気さと恋心の熱さで、いともたやすく壁を乗り越えてくる。  笑顔を振りまき、時に拗ね、時に嫉妬する。  ころころ変わる少女の表情がとてもかわいらしく、読んでいて惹かれてしまう程。  親のように彼女を見守り続けて来たアスターもその魅力に惹かれ、徐々に気持ちが寄せられていく。  二人のもどかしい距離感と、どこか甘さを滲ませるやり取り。  その微笑ましい関係性に、とても胸がほっこりする作品だ。  二人が煮詰める愛の物語を、ぜひ読んでいただきたい。