刃骸ノ葬列ーサムライデスパレヱドー1

著:榊一郎絵:輝竜司
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刃骸ノ葬列ーサムライデスパレヱドー1

著:榊一郎絵:輝竜司

「さあ来い、死に損ない共! この身の無聊の慰めに——片端からその首、刎ねて弔おうてやるわ!」

世界は突然に終わりを告げた。死してもなお歩き回り生者を襲う死者——花屍人によって。首を斬られても止まらず、攻撃魔法も効かない屍の群れに、人間社会は容易く崩壊した。ダンジョンに立てこもる事で生き延びたロイデン王国の人々は、半年後、迷宮監督官にして『聖女』であるユーニスと、その世話役で元騎士のブライアンを筆頭に、欠乏する物資の調達部隊を王都に派遣するが……その道中でユーニスらは無数の花屍人に襲われ包囲されてしまった。パニックに陥る調達部隊。その前に突如として現れたのは、獣じみた獰猛な叫びと共に、剣で花屍人を狩る異国の武芸者——『サムライ』であった。「さあ来い、死に損ない共! この身の無聊の慰めに——片端からその首、刎ねて弔おうてやるわ!」『ストレイト・ジャケット』『アウトブレイク・カンパニー』『棺姫のチャイカ』作者、榊一郎が織りなす新たなゾンビアカリプスファンタジー開幕!

編集を担当させて頂いたオタクペンギンです! 『棺姫のチャイカ』や『アウトブレイク・カンパニー』など数多くのヒット作品を書かれている榊一郎さんによるゾンビファンタジーです! 本作は単純なゾンビパニック作品というわけではなく、ゾンビパニックが起こり、なんとか王都近くにあった迷宮に一部の人が避難し、助けが来るまで待っていたが来ることはなく半年経った…という絶望的な状況から始まる作品です。とても痛快な作品ですので、ぜひ御覧ください!

担当編集者 オタクペンギン(社長)

読者の感想

サムライは浪漫です!
長大な刃が、有象無象を薙ぎ倒す冒険活劇に、心が震えました。 サムライ、大太刀、ゾンビ、という単語に興奮したら、それは浪漫です。 ファンタジー世界で猛威を振るうサムライが、ここにいました。 異国の蛮族として暴れ回る姿は、爽快感が目白押しです。 サムライの常識をヒロインに押し付けていく様は、まさに非道。 なのに、これほど可哀想が似合うヒロインがいるでしょうか。 もっと見たいです、先生。 相棒として出てくる剣士も、裏がありそうで目が離せません。 主役が剛なら、こちらは柔で、的確に急所を狙われる感じです。 まだまだ、魅力的なことが隠されていそうな雰囲気があって、期待してしまいます。 これでもか、と浪漫を豪華に詰め込んだ、フルコースのサムライファンタジーでした。 イラストも素晴らしいので、想像が膨らみます。 サムライは浪漫です!
引きずり込まれた
この何とも言えない感情を言葉にするのなら、おそらく「面白かった」なのだろうと思う。 「面白かった」を断言できず困惑しているのは、 主人公格のキャラクターたちに共感できた! 誰それが良かった! と言えないのに、ページをめくる手は止まらず、一気読みしてしまい。 とある場面で、涙がぶわっと溢れてきたり。 読み終わって、やっと自分は、小説にどっぷり浸っていたのだと気付いて。 作者の思惑通りに感情を高ぶらせてしまったようで、良い意味で「してやられた!」と感じるからか。 しかし、「してやられた!」とは書いたが、話の流れとして、突拍子もないことをされて、置いてけぼりを食らうわけじゃない。 かといって、話の流れが予想通りで、つまらないということも、決してない。 花屍人が溢れる荒廃した世界を、疾走しながら豪快に花屍人たちを葬っていくサムライ1と皮肉りながら歩くサムライ2、おろおろうじうじしながらも覚悟を決める聖女、可愛らしい見た目とは裏腹にたくましい混血の娘。 ほかに名脇役が三人(?)ほどいるが、ネタバレになるのでぼかさせていただく。 なんのかんのと書いたが、「小説は、キャラクターに共感できなければ面白くない」という考えを、良い意味で破壊してくれる作品であった。 ここまで言葉にして、やっと気持ちの整理ができたので、断言する。 ゾンビや滅びた世界というキーワードが気になる方には、是非、読むことをオススメしたい!