狂気に馨しき薔薇

著:安藤威一朗絵:Imoniii
¥660
カートに入れる試し読み

狂気に馨しき薔薇

著:安藤威一朗絵:Imoniii

狂っているのは、人か、薔薇か

今度の七回忌には生け贄が捧げられる――。
投函された脅迫状の差出人を暴いてほしいと依頼された探偵・三条綾乃助と助手・柏木世蘭は、薔薇の花に囲まれた櫻田邸を訪れる。六年前、この屋敷で亡くなった『櫻田由梨絵』の七回忌が催されるなか、集まったのはかつて『櫻田由梨絵』が亡くなった日に立ち会った者たちでーー。不穏な空気のなか、何事もなく法要を終えたかのように思えた矢先、櫻田家の次女が遺体となって発見される。そして、その様子はかつての『櫻田由梨絵』と酷似していてーー!?闇に葬られた過去の殺人と、新たな殺人。本当に狂っていたのは誰なのかーー!ミステリーの原点を今ここに!第一回小説下剋上コンテスト佳作!

読者の感想

良かったけど序盤の脱字が多すぎる
序盤の方、脱字が多くてすごく気になった。 推理小説としては楽しめた。 犯人の解明には納得感があった。
怪しく甘美な雰囲気を味わう
6年前の、とある人物の死を発端として、新たな事件が起こり、それを探偵が解き明かしていくのが本作の筋です。派手なトリックはありませんし、探偵のキャラクターも突飛さはありません。しかし過去の事件の真相や、関係者たちの抱える秘密、そして「薔薇」への異常な執着の正体などが、じわりじわりと明らかになっていくのが魅力的でした。探偵が招かれた舞台からして、非常に怪しく甘美な雰囲気が漂っており、静かにその狂気に浸ることができます。ラストも、まだ狂気は続くのだろうか、と思ってしまうような不穏さを感じました。