セカンドムーン1 少女と掃除機のルンバ
主人公ーー掃除機!?
戦いの中で死んだはずの魔法戦士ヴァンクロウは……目を覚ますと掃除機となっていた! 周囲全てを知らないものに囲まれて混乱していた彼は、護送されていく少女を騒動からたすけた。その少女ーーシェヘラによって自身の復活の謎を追うことができたヴァンクロウは、彼女の自由を得るための戦いに協力していくこととなる。そしてそれは、この世界の変容と自身の過去、そして失われた未来に繋がっていくこととなるのだった。『鋼殻のレギオス』作者、雨木シュウスケが贈るマジックパンク&バトルアクション!開幕ーー!
読者の感想
ハイスピードSFエンタメアクション
進み過ぎた科学は魔法と区別がつかない。その逆もしかり。
頭空っぽにして楽しく読めるSFアクションです。魔法は使いますがあんまりファンタジー感はありません。あるとすれば主人公のヴァンクロウを含めた魔法戦士の蛮族英雄的な価値観でしょうか。
ただ本作のもう一つの本質は世界設定、死を置き去りにしてもなお自由には生きられないハードな世界観です。
逃れられない死も生も共に牢獄です。むしろ意識が無い分死ねる方が楽かもしれません。色々想像するとぞっとできます。多分書かれてない問題も色々あるのでしょうが、その辺は次回作での楽しみにしています。
若干ネタバレかもですが楽園崩壊が好きな人は色々比較しながらでも楽しめると思います。あとはフルメタルパニック。
ついでにもう一つ。主人公が掃除機で心配する方がいらっしゃるかもしれませんが、ちゃんと途中から無双してくれますので安心して手に取ってみてください。
新時代の爽快感を味わえる作品でした!
魔法と化学が融合している世界。セカンドムーン。悩んだ時に読むとスッキリできる読み味です!主人公の謎、登場人物達の背景。読み方に迷わずに済むように時折ストーリーテラーが現れて、こっちですよーと丁寧に行き先を案内してくれます。読みやすいです! 疾走感のある文体が次々情景を表現してくれるので一見してとても丁寧に書かれているのが分かります! ライトノベルを手に取ったことのない人にもお勧めできるかっこいい作品でした! ありがとうございました。
頭空っぽにして読むSF×ファンタジーの融合作
待ってましたよ雨木先生の最新作……!
そんな本作は雨木先生らしさというか、その根源を煮詰めたような、良い意味でゴリゴリさがあります。
SFと魔法を融合させて突き詰めた世界観で踊る少女とルンバと後オッサンですよ。
確かに頭空っぽにして読んで駆け抜けていける疾走感があります。間違いなく面白い。
しかし、しかし、ですよ。
その空っぽになった頭に叩き込まれるのが《命》に関して考えさせられる深いボディブローです。
頭にボディブローです。絶対軽くない。ずっしり響きます。
これぞラノベの真髄です。
ネタバレになるのでこれ以上言えませんが、《命》と《愛》がそこにありました。そしてこのルンバ、マジでルンバ。キャラ立ちの根幹がルンバ。
だからこそ、少女との対比が活きていて、物語になっていくんだなぁ、と。
読み味軽くてブッ飛ばせる。でもしっかりと重い余韻も残してくれる。そんな作品です。
みんな、読め。
シェヘラたんカワイイ
面白かった! 雰囲気は往年のライトノベルといった感じでワクワクします。新しい世界を覗いていくのが好きな人には刺さる内容かと思います。舞台設定はSFですが、それを上手に魔法ファンタジーで絡めてあるので「SFは苦手ー」とかは特に心配する必要はないかと。ヒロインのシェヘラがメンタル逞しい系なのが意外でした。次巻が楽しみです!
期待のラノベSF!
鋼殻のレギオスを書かれていた雨木先生が新シリーズを出されるということで、参加発表されたときから楽しみにしていました。
普段SFなどは読まないので、少し敷居の高さはありましたが、試し読みで読んでみたところ思っていたよりも軽い読み味だったのもあり、そのまま購入しました。
全体を通して読ませてもらって、世界観はとても良く組み込まれているのに対して、SFっぽい小難しさなどはあまり感じさせない読み味が私としてはとてもよかったです。
主人公のヴァンクロウが子どもを守るために戦うというシンプルな理由で動いているのもよかったですし、ヒロインのシェヘラが見た目よりも強かな子でギャップもありました。
最近のラノベではあまり読めない作風ということもあり、今後さらにどうなっていくのかとても気になりました。
応援の意味も込めて、これからに期待しています!
ダンガン文庫1作目のシリーズになります! 本作は2200年頃という未来の世界で、突如第二の月が現れた…!?という衝撃的な状態から物語が開始され、主人公はなぜか全自動掃除機の体になっていて、わけもわからないまま怪しい連中に連れて行かれている少女を助けることになる…という王道展開で話が進んでいきます。SFらしい設定と世界観を入れながらも、読みやすく入り込みやすい書き口は見事の一言に尽きるのではないかと思います。読みやすさは抜群なので、SFとかあまり知らない!っていう方もぜひ手に取ってみてください!
担当編集者 オタクペンギン(社長)